【入門編】ペアプログラミングの基礎知識
始める前に知っておきたいこと
リスクと課題
初心者同士では効果が出にくい
ペアプログラミングは、片方がナビゲーターとして設計やレビューを担います。しかし、初心者同士で組むとナビゲーターの役割を十分に果たせず、非効率な開発になる可能性があります。学習目的であれば初心者同士でもお互いに知識を交換しながら成長できるため、教育カリキュラムとしては有効ですが、業務として導入する場合は必ず経験者と組ませるようにしましょう。
技術レベルの差が大きいと不満が生まれる
初心者にとっては学びの多い環境ですが、上級者には「教える時間が増えるだけで、自身のスキル向上にはつながりにくい」という不満が生じることがあります。教育的な価値があるとはいえ、技術的な刺激が少ないと上級者は物足りなく感じてしまうからでしょう。それを避けるためにも、事前に役割や目的を明確にしておく必要があります。
ナビゲーターの負担が偏ることがある
ナビゲーターはコードの設計やレビューだけでなく、ドライバーの指導を担うこともあり、負荷がかかる場合があります。特にドライバーの技量が低い場合は実質的にナビゲーターがすべての作業を担うような状況になり、ペアの意味が薄れてしまいます。そのため、役割分担とスキルバランスを見極めることが非常に重要です。
相性が悪いとコミュニケーションが崩れる
ペアプログラミングは円滑なコミュニケーションを前提とした手法です。性格的に合わない相手と組まされると話が噛み合わず、ストレスが溜まるため、作業効率が著しく低下します。スキルだけでなく、人間関係も考慮してペアの組み合わせを考えなければなりません。
仲がよすぎても緊張感が失われる
逆に、ペアの相性がよすぎる場合も注意が必要です。気心が知れすぎていると緊張感が薄れて雑談が増えたり、作業がマンネリ化したりするからです。そうなるとミスが増え、生産性も下がってしまうため、適度な緊張感を保つような工夫が必要です。
スケジュール調整が難しい
ペアプログラミングは2人の時間を合わせて実施するので、スケジュール調整が大変です。他業務との兼ね合いや会議、外出予定などがある場合、ペア作業の時間が確保できない場合もあるでしょう。そうならないためにも、柔軟な運用体制や事前の調整が不可欠です。
コーディングスタイルの違いによる対立
エンジニアにはそれぞれのコーディングスタイルやこだわりがあります。スタイルが大きく異なる相手とペアを組むと意見が対立し、口論に発展することがあります。こうした対立はチーム全体の雰囲気にも悪影響を及ぼすため、事前にルールや方針を共有しておくことが重要です。
