【実践編】始め方とコツ

【実践編】始め方とコツ

始める前に知っておきたいこと

始める前に知っておきたいこと

導入の手順

役割分担がカギ

ペアプログラミングにおいて最も注意したいのが「ドライバー」と「ナビゲーター」の役割分担です。ドライバーはコードを書き、実装作業に集中します。一方、ナビゲーターはコードの構造や設計を俯瞰的に捉え、ミスの発見や改善案の提示など、スムーズに進められるようにサポートします。
この役割分担によりドライバーは手を動かすことに専念でき、ナビゲーターは冷静に全体を見渡せるようになるため、結果として全体の効率が高まります。さらに、一定時間ごとに役割を交代することで双方が異なる視点を経験できるため、技術的な理解も深まります。

スムーズに進めるために

ペアプログラミングをスムーズに進めるには事前の準備が欠かせません。まず、ドライバーとナビゲーターがそれぞれの役割を理解し、目的に応じたタスクを整理して、作業の流れやゴールを明確にしておきます。これにより、実行中の混乱を防ぎ、スムーズに進行できるようになります。
作業中は定期的に進捗や課題を確認し、必要に応じて役割を交代することで柔軟な対応が可能になります。このようなプロセスを繰り返すことでペア内の信頼関係が深まり、プロジェクト全体の生産性も向上していきます。

具体的な役割

ドライバーは基本的にキーボードを使ってコーディングを行います。ナビゲーターの指示に従って作業を進めることで、初心者でも高品質なコードが書けます。バグや修正にも柔軟に対応でき、上級者のレビューを受けながら作業することで、完成後の手直しにかかる工数を大幅に削減できます。
一方、ナビゲーターは開発内容に応じて複数のアルゴリズムから最適なものを選定し、ドライバーに指示を出します。設計の全体像を把握しながらコードの方向性を導く役割を担っています。
ペアプログラミングは実務で活用されるだけでなく、新人の実力を測る手法としても有効です。教育的な効果が高く、育成の場でも重宝されています。

開発環境の共有

開発に必要なソフトウェアや設定(ログイン情報、IDEなど)は、エンジニアチーム全体で事前に決めておく必要があります。特に、複数人で開発を行う場合はペア交代によってペアステーションが日替わりで変わることもあるため、メンバーがすべてのPCとアカウントにアクセスできるように整えておかなければなりません。
また、他者のコードを見る機会が増えるため、「このコードは誰が書いたのか」「誰に質問すればよいのか」といった疑問を解消できるように、誰が書いたかわかる仕組みにしておくことも大切です。たとえば、git duetを使うとコミットメッセージにauthorとreviewerの両方の名前を記録できるため、確認しやすくなります。