【実践編】始め方とコツ

【実践編】始め方とコツ

リモート環境でのペアプログラミング術

リモート環境でのペアプログラミングとは

リモートワークの場合、従来のように1台のPCを共有するのではなく、それぞれが自分のPCを使い、オンライン会議システムなどを通じて連携することになります。物理的な距離がある分、環境構築やツールの選定が重要なポイントです。

リモートならではのメリット

リモートでペアプログラミングを行う最大のメリットは、各自が自分の作業環境で集中できる点です。ドライバーもナビゲーターも慣れたPCや設定で作業できるためストレスが少なく、効率よく作業を進められます。また、隣に人がいないことでリラックスでき、画面の向こうに相手がいることで、自然と程よい緊張感が生まれます。

リモートならではの課題もある

一方で、特有のデメリットも存在します。まず、PCへの負荷が増える点が挙げられます。開発ツールやオンライン会議システムを同時に使用するため、メモリやCPUの使用率が高くなり、スペックの低いPCでは挙動が不安定になる可能性があります。それを防ぐには、PCのスペックを上げるか、別のPCを会議用に用意するなどの工夫が必要です。
また、生活音や通信環境の差も集中力に影響を与えます。片方の環境が整っていない場合、もう一方の作業にも支障が出るため、事前に音声や接続状況を確認しておく必要があります。リモートでのペア作業は技術面だけでなく、環境面の配慮も欠かせません。

作業に役立つツール

リモートでのペアプログラミングを支えるツールを2つ紹介します。
1つ目はVisual Studio Live Shareです。この拡張機能を使えば、Visual StudioやVisual Studio Code上でリアルタイムにコードを編集できます。参加者のカーソルを自動で追跡する機能もあるため、注目してほしい箇所を明確に伝えられます。
2つ目はMiroです。Miroはオンラインホワイトボードツールで無地の画面に図形やテキストを自由に書き込めるため、イメージの共有などに役立ちます。テンプレートも豊富に用意されており、複数人で同時に編集できるので図解を交えたコミュニケーションが活発にできるでしょう。

まとめ

リモート環境でのペアプログラミングは従来とは異なる工夫が求められますが、適切に準備し、ツールを活用することによって十分に効果を発揮します。ただし、ペアプログラミングの効果はペアを組む相手との相性やコミュニケーションの質に大きく左右されるため、環境を整えたからといってよい方向にいくとは限りません。まずは試験的に導入してみて、その結果を踏まえて継続するかどうかを判断するといいでしょう。